34業種の収益事業(不動産販売業)
(2022年6月1日更新)
1.不動産販売業の範囲
土地(借地権を含む)や建物の販売のほか、土地(借地権を含む)を譲渡するに当たって、当該土地に集合住宅等を建築し、又は当該土地につき区画形質の変更を行った上でこれを分譲する行為は、原則として不動産販売業に該当します(法人税法基本通達15-1-12)。
2.不動産販売業に該当しない取引
相当期間にわたり固定資産として保有されていた土地で、その建築又は変更から分譲に至る一連の行為が専ら当該土地の譲渡を容易にするために行われたものであると認められる場合には、当該土地の譲渡は、不動産販売業に該当しないものとします。ただし、その区画形質の変更により付加された価値に対応する部分の譲渡については、この限りではありません(法人税法基本通達15-1-12)。
不動産販売業に該当するためには、「継続して事業場を設けて行われる」ことが必要であり、学校が相当期間保有していた固定資産を売却する行為が不動産販売業に該当することはありません。また、継続的に不動産を買入れて売却する場合に不動産販売業に該当しますが、学校法人がこのような事業をすることは想定されないので、学校法人が不動産販売業を行うことはほとんどないと考えられます。
なお、不動産販売業の論点とは若干それますが、収益事業に属する固定資産につき譲渡、除去その他の処分をした場合における処分損益は、原則として収益事業に係る損益となります。但し、次に掲げる損益は収益事業の損益に含めないことができます。
法人税法基本通達15-2-10 公益法人等又は人格のない社団等が収益事業に属する固定資産につき譲渡、除却その他の処分をした場合におけるその処分をしたことによる損益は、原則として収益事業に係る損益となるのであるが、次に掲げる損益(当該事業年度において2以上の固定資産の処分があるときは、その全てに係る損益とする。)については、これを収益事業に係る損益に含めないことができる。(昭56年直法2-16「八」、平23年課法2-17「三十三」により改正) (1) 相当期間にわたり固定資産として保有していた土地(借地権を含む。)、建物又は構築物につき譲渡(令第138条第1項《借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入》の規定の適用がある借地権の設定を含む。)、除却その他の処分をした場合におけるその処分をしたことによる損益(15-1-12《不動産販売業の範囲》のただし書の適用がある部分を除く。) (2) (1)のほか、収益事業の全部又は一部を廃止してその廃止に係る事業に属する固定資産につき譲渡、除却その他の処分をした場合におけるその処分をしたことによる損益 |