学校法人会計における注記事項ー後発事業
(2021年6月1日更新)
1.後発事象の注記
監査対象となる後発事象とは、会計年度末日の翌日から監査報告書日までの間に発生した会計事象で、学校法人の財政及び経営の状況に影響を及ぼすものをいい、修正後発事象と開示後発事象に区分されます。
修正後発事象は、会計年度末日後に発生した事象ですが、その実質的な原因が会計年度末日現在において既に存在しており、会計年度末日現在の状況に関連する会計上の判断又は見積りをする上で、追加的又はより客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない事象です。したがって、重要な事象については、計算書類の修正を行います。
開示後発事象は、会計年度末日後において発生し、当該会計年度の計算書類には影響を及ぼしませんが、次年度以降の計算書類に影響を及ぼす事象です。したがって、重要な事象については、学校法人の財政及び経営の状況に関する的確な判断に資するため、当該会計年度の計算書類に注記を行うものです。
開示後発事象のうち、次年度以降の計算書類に重要な影響を及ぼすものについては、次年度以降の学校法人の財政及び経営の状況を正確に判断するために後発事象として注記することになります(学校法人委員会研究報告第16号「計算書類の注記事項の記載に関するQ&A」(最終改正平成26年12月2日、日本公認会計士協会)Q29)。
後発事象の注記例は以下のとおりです。
【後発事象】
ア.火災により被害を受けた場合
令和××年×月×日、●●高等学校本館が火災により焼失した。この火災による損害額及び保険の契約金額は次のとおりである。
(損害額) (契約保険金額)
建物 ×××円 ×××円
構築物 ×××円 ×××円
なお、機器備品の損害額は調査中である。
イ.係争事件が新たに発生、又は解決した場合
令和××年×月×日、本学園を被告とし、△△社から××円の賠償請求を受ける●●事件の訴訟が提起された。
ウ.募集の停止又は再開
令和××年×月×日の理事会において、新年度より●●学校の募集を停止することを決定した。